これをやれば上手くなる!効率よく上達するための3つのポイント
3回目の投稿にしてかなり思い切ったタイトルをつけてみましたが、
是非とも伝えたい!という思いから、あえてちょっと偉そうなタイトルにしてみました。というのも選手が現役でいられる期間は本当に限られていて、貴重な時間であると常々感じているからです。
早速本題に入りますが、最初に断っておきます。
この情報が正しいとは言いません。
なぜなら私の個人的な考えを述べているだけなので。
上手くなりたいと考えている選手や少しでも選手の役に立ちたいと考えているコーチの方々の頭の片隅にでも残しておいていただければと思います。
Point1 目的と手段の明確化
突然ですが、あなたは何のために食事を摂っていますか?
お腹が空いたから、体調を整えたいから、おいしいものが好き・・・など色々と理由はあるでしょう。
空腹を満たす事を目的とするなら、食べられるものなら何でもいい。
ではパフォーマンスを上げたいという目的になるとどうでしょうか?
出来るだけ栄養バランスのいい食事。試合前などであれば消化がいいもの。
夏バテ対策であればビタミンやミネラルを豊富に含んでいるものなど。
目的が変われば、当然内容も変わってくるはずです。
まずこの『目的をはっきりさせる事』は上達のための第一歩です。
多くの選手はある程度の目的を自分の中でイメージしていると思います。
甲子園に行きたい、神宮で活躍したい、社会人やプロなど次のステージに進みたい・・・
ですが日々の練習にこだわっている選手ほど当初の目的を見失うケース多くなります。
手段のはずが目的に変わる
例えばピッチャーが投球練習をする目的は“打者と対戦する為”です。あえて“勝つため”としないのは、個人的に各世代での勝利至上主義に疑問を抱いているためですが。
これに関してはまたいつか書くことにします。
相手主導で投げるボールに対していかにタイミングを合わせるか?というバッターに比べてピッチャーの練習は自分の型やリズムにこだわりやすい。アウトローのギリギリに糸を引いたようなストレートが決まった時の気持ちよさは分かります。そしてミットがパチーン!といい音が鳴る瞬間もかなり気分がいいでしょう。
これが目的を見失いやすくなる原因なのです。
140キロのアウトローギリギリのボールを見事に打ち返されてしまった。
スライダーが抜けてど真ん中にいったがバッターは引っ掛けてしまい打ち取った。
練習であれば前者は成功、後者は失敗です。でも試合になると、打たれたボールと打ち取ったボールに変わるのです。
この事を踏まえて身近なピッチャーの投球練習をよく見てください。自分が納得のいくボールを投げる練習をしているのか、バッターを打ち取れるボールを投げる練習しているのか。
筋トレも同じく目的は競技力向上、即ちパフォーマンスを上げる事を目的としているはず。でもいつのまにかより大きな重量を上げる事や筋肉を大きくする事が目的になりやすい。特にサプリメントなどにまでこだわっている真剣な選手ほど陥りやすい。
だからこそ下の3つを常々意識し続けることが重要です。
• 周りで見ているコーチが軌道修正をしてやる事
• 自分を客観的な目線で見る事
• 定期的に目標が何なのかを再確認する事
Point2 4段階の理解
次に重要なのがどれだけ正確に理解できているかという段階を知る事です。ここでは理解の度合いを4つの段階に分けて説明していきます。
第1段階 見た(聞いた・知った)
始めの段階はその技術や情報に出会った段階、触れた段階です。この情報を得る事が非常に重要。常日頃から様々な方向にアンテナを張り、360度どこからでも役立つ情報を収拾しようという意識が大切になります。
特に最高レベルのプロ野球やメジャーリーグの映像やニュース、名門と言われる学校やクラブチームなどがどんな練習をしているかは(当たり前ですが)知っておいて損はありません。SNSやテレビ、本など情報が溢れている時代ですが、やっぱり一番良いのは直接聞く事。
上手くいっている人の真似をするのが間違いなく一番早い。
当然プレースタイルや体格など、タイプによって合うor合わないがあるかも知れませんが、この段階で判断するのは避けましょう。
第2段階 分かった
次の段階は“頭で”分かったという段階です。意味は理解できたけどまだ身体は思い通りには動かないという段階です。ここで重要なのは『本当に理解できている事』です。分かったつもりでいても実際は勘違いをしている事は良くあります。
ましてスポーツは数学のように明確な正解が無いものを理解しようとする場合、この勘違いを正す事は非常に難しくなります。対処法はただ一つ。それは話す事・聞く事です。お互いがしっかりとコミュニケーションを取り合う事、取り合える関係を構築しておくことが重要になります。
第3段階 出来た
ここまで来ると明らかに変化が起こります。頭の中にあるイメージと身体の動きをリンクさせる事で、実際に出来るようになります。この時に重要なのが感覚ではなく視覚で確認する事。一昔前と違い、いとも簡単に動画撮影が出来るため、実際に投げたフォームや打ったフォームをその場で撮影、確認する事が出来るようになりました。
これを利用しない手はありません。コーチングする側としても「もう少しここを・・・」などと話すより、「ほら。見てみて。」と実際に見せる方が伝えやすい。選手側としても「自分では出来てる気がするんだけど・・・」という思いをせずに済みます。その際に注意しなければならないのが“した”と“なった”の違いです。
手軽に撮影してスロー再生までできてしまうため、細かい部分まで確認する事が出来る反面、スロー再生には大きなデメリットが。それはスピード感までは映せないという事です。反動の中で反った動き、捻った動きはそのスピードだったからこそなったもの。
意図的にしてしまうと余計な筋力を使うだけでなく、ぎこちなさやケガの原因にもつながります。便利な世の中でですが、使い方を間違うとそれ相応の弊害を起こしてしまうリスクを忘れてはいけません。
第4段階 伝えられた
ようやく自分が手に入れた技術。今度は惜しげもなく誰かに伝えてみましょう。
インプットした事をすぐにアウトプットする事で確認になります。教えた人ができないという事は何かが足りていない。
自分の言葉足らずで伝えられていないのか、何かが抜けているために出来ないのか。ここで引っかかった部分が、自分の調子が崩れた時に大きな意味を持ってきます。
この時最も重要なのが教えてくれた人に聞こえるように伝える事。間違った事を伝えていればその場で訂正してもらえるはずなので。
この段階を実践する事で頭の中は非常にクリアになります。
何より自らの手でライバルを作る事は更なる進化の糧になります。
Point3 下手になる練習をしない
これはある意味最も重要な要素です。と言うのも、人間の身体は脳によって指令を出し、その信号を受け取った筋肉が関節を動かす事で動いています。何か新しい動きを練習した時、最初は出来なかった事が徐々に出来るようになってきます。これは身体能力が高くなったのではなく、単純にその動き(指令)に身体が慣れただけなのです。
下手になる練習とは間違った動きを繰り返してしまう事です。
上記の説明を踏まえて考えるとお分かりの通り、人の身体が動く仕組みは脳からの指令とその回路が関係しています。ですが本来であれば発達する必要のない回路が体の中で構築されてしまう事で、いわゆる変なクセが身についてしまいます。
変なクセがついてしまった中級者より、いっそ何もクセの無い初心者の方が上達が早くなるのはこのためです。ただやみくもに数をこなすだけの練習ではなく、正確な形で(使い方で)数を積み重ねる事が重要なのです。
まとめ
いかがでしたか?結構大それたタイトルの割に、冷静に考えれば当たり前の事ばかりだったのではないでしょうか。ですがこの当たり前のことを当たり前に出来る事が実はとても難しい。分かっているつもりでも、ついつい脱線してしまうのが世の常なのです。今一度基本に立ち返って、自分の練習や選手たちの練習を客観的に見る事から始めてみてはいかがでしょうか。