姿勢が変われば人生が変わる!

R-Ambition代表、古藤隆治のブログです。姿勢がスポーツ与える影響、改善する事でどんな効果を発揮するのか、トレーニングに対する考え方など実際の現場で役立つ情報を色々な角度から発信していきます。

身体能力?センス?伸びる選手と伸びない選手 どこが違うのかを考える

同じチームで練習をしていても結果が出る選手や出ない選手がいるのはなぜか。体が大きいから、センスがあるから、頑張っているから・・・

色々とあると思いますが、少し見方を変えるだけで劇的に進化する選手も多く存在します。独断と偏見ではありますが、掘り下げていきます。

好きこそ物の上手なれ

先ず大前提として好きである事。これは絶対条件。

引退したイチロー選手も引退会見で現役生活で貫いたものはという質問に対し『野球の事を愛したこと』と答えています。愛にも様々な形があるとは思いますが、最低限好きであることは絶対に重要。練習も筋トレもやらなきゃいけないから・・・となった時点で終わりです。

それは権利ではなく義務感で動いている証拠。ある年代までサポートして促してやることも重要ですが、高校やそれ以上の年代になっても心が安定しない選手は多く存在します。モチベーションが上がらないときにダラダラと続けてしまうのが一番危険。気持ちが乗らず全力で動かない習慣は簡単に身体にしみ込みます。

探求心

何かを上手くなりたいと本気で考えた時、情報を集める事が絶対に必要です。自ら創意工夫を重ねて上達しようと試みても、自分の頭の中にないものは絶対に出てこない。イメージすると英語のテストのようなもの。初めて見る単語が並んでいて、意味を理解しようなど100%無理です。

今はスマートフォンで検索したりSNSを見ればいとも簡単に情報が手に入る時代。それも半端な情報ではなく、超一流のアスリートが生の声を発信していたりする。これだけ情報が増えている時代に「どうすればいいですか?」しか持っていない選手は絶対に伸びない。まずは探す事。そこから確認していく作業が重要です。

行動力

情報を得る事で満足してしまうとそれは単なる収集家。アスリートとは言えません。以前理解にも4つの段階があると書いたことがありますが、情報を集めるのは1段階。つまり見た・聞いた・知っただけの話。実際に動いてみる事で目で読み取った事の難しさや自らの勘違いなどにも気づく事が出来る。いくら情報が簡単に手に入ると言っても、実際にその人に会って直接学んだ場合との差は計り知れません。

だったら直接会いに行けばいい。足を運んで直接学び、実践する行動力がある選手は、たとえその場で結果が出なくとも何らかの形で将来の成長の糧になる事は間違いありません。

 

継続力

ここで多くの人が躓きます。竜頭蛇尾。最初の勢いのまま続けることはめちゃくちゃしんどい。体調や天候、周囲の環境などありとあらゆるものが【同じペースである事】の邪魔をします。彼女が出来た!やる気MAX!!!!と張り切っていたのに急にフラれてこの世の終わり・・・みたいな事は日常茶飯事。それでも心臓は動き続け、酸素を吸い続けています。

オリンピック選手を育てた監督さんがインタビューで「心臓止まったら困るでしょ?この子たちは練習しなかったら死んじゃうの」と答えていましたが、アスリートとしての選手生命を考えると、立ち止まる事は死に直結すると言えるのかもしれません。

 

変化を恐れない心

これも多くの選手が戸惑う部分。今まで自分がやって来た事を変化させる事は非常に難しい。自分で自分の過去を否定する事にもつながるから。新たな情報を得たとしても、長年染みついた感覚やリズムをリセットする難しさは経験した人にしか絶対に分からない。当然出来ていたことが出来なくなるというリスクもはらんでいる。

それでも行動を起こす事で得られるものは絶対に多く存在する。他人の話に耳を傾け、自らの感覚や経験を完全にリセットして真っ新なキャンパスに新たな絵を描く位のイメージが無ければ、頭では理解できても身体が思うようには動かず、中々上達する事はありません。

環境など外的要因

【当たり前】の基準をどこに置くのか。人が二足歩行するのは自然な事でしょうか?四足歩行の方が絶対に安定感はあります。心臓の負担も小さく、痔になる事もない(笑)

強豪校が強豪であり続ける一番の要因は『文化』です。つまり当たり前の基準が違う。名門と言われる学校の選手たちは明らかに覚悟が違う。昨年の夏大阪桐蔭の中川主将が優勝した時のインタビューで春夏連覇という強い気持ちをもって・・・と答えていましたが、甲子園を目標に取り組んでいるチームと春夏連覇を目指しているチームのモチベーションが同じなわけがない。

どうせ俺たちは・・・みんなが言うから・・・こんな選手やチームが伸びるわけがない。もし上手くなりたい、勝ちたいと望むのであれば最も最初に取り組むべき課題であり、最も難しい課題であるのが基準を変える事。どこに向かって歩き続けるかがすべてを左右すると言っても過言ではありません。

まとめ

私が好きな言葉の一つに「厳しさ無くして執念無し。執念無くして行動無し。行動無くして成果無し。」というものがあります。これは社会人として働き始めた時の会社で教えられた言葉ですが、宮崎県の高千穂高校の剣道部訓『思念工夫』の中の一文です。

古い考えだとかそんな時代じゃないとか色々言われそうですが・・・現在社会を回している世代の方々が育ってきた時代はこんな事が当たり前。環境を作る人達が時代に合わせて変化をしていく事が理想ではありますが、年を重ねれば重ねるほど自らを変える事は勇気が必要になる。

環境が合わないと思うのであれば、自らが動いて新たな環境を探すか、今ある環境の中で自分を見失わないように常に意識し続けるしかない。そこが伸びる選手と伸びない選手の一番の差になる。一人ですべてをやるのが難しいと考えるのであれば(というか絶対難しいので)、仲間を見つける事が重要でしょう。一人では乗り越えられないところでも、複数人で取り組む事で気持ちは継続しやすくなる。同じ事をしなくても、同じ立場でなくても、同じ場所にいなくても、その存在を感じるだけで絶対に意味があるでしょう。

まとめ2

ここからは宣伝も兼ねているので気になる方だけ・・・

現在R-Ambitionでは自分の取扱説明書として遺伝子検査をお勧めしています。

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検査内容は筋肉の質やトレーニングの効果、身体を大きくするために必要な食事や睡眠の質、ケガが起こりやすい場所など多岐にわたります。中でもモチベーションを維持しやすいタイプか維持しにくいタイプかなど、見ただけでは絶対に分からない部分も遺伝子によって左右されます。

例えば周りが一生懸命やろうと取り組んでいても、なんかエンジンがかかりにくい選手。遺伝子のタイプが違うのかもしれません。一人一人が自分の持って生まれた遺伝子を理解する事で、より効率的に競技に取り組む事が出来るでしょう。

詳しくはR-Ambitionホームページのコンタクトもしくは093-921-8322までお問い合わせください。

【目指せ140キロ】球が速い選手と速くない選手の違いは何?

ピッチャーであれば誰もが一度は意識するであろう『140km/h』

見る側としても、やっぱり球が速いピッチャーはカッコいい。今回は球速が速い選手と速くない選手の差はどこで生まれるのか?について。

 

最も単純に答えを出すと、リリースの瞬間にボールに力が伝わっているか否か。どれだけ筋力を向上しても、柔軟性を高めても、最後の瞬間にボールに力が伝わらなければ速い球を投げることは出来ません。

ピッチャーのフォームを大きく分けると、並進運動回転運動の2つに分かれます。並進運動は足を上げてからステップをきるまで。回転運動はステップからリリースまで。この2つの運動の精度をどれだけ高く出来るか、いかにうまく並進運動から回転運動に移すかが球速アップのカギとなります。では具体的にどうするのか?各項目に分けて解説していきます。

 

並進運動

足を高く上げる

難しく書くと位置エネルギーだなんだと言葉が出てきますが、要するに同じ重さ(体重)のものを地面に向かって落とす時、低いところから落とした時と高いところから落とした時はどちらが大きな衝撃を生むか。要するに加速です。この時に重要になるのがバランスを保ったままで足を高く上げられる事。

右ピッチャーの場合左足を上げますが、腹筋や太腿の前側の筋肉を使って足を引き上げてしまうと、上半身のバランスが崩れ、インステップやリリースの時に体重がうまく伝わらない原因になります。バランスを崩さずに足を上げる為には、右足の踵を少し上げ、下ろす反動で左足を上げる事。

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 基準はベルトの線よりも膝が上に来る事。左足の太腿の裏側の柔軟性が不足すると上がりにくくなります

 

上の写真のように身体のバランスを崩すことなく膝を十分な高さまで持ってくる事が出来るようになれば、並進運動の時にバランスを崩しづらくなります。

トップを作る

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 トップとは、投げる為の準備の状態です。これが抜けてしまうと、ボールが高めに浮いてしまったり、ボールがシュート回転してしまったり、コントロールが安定しない原因になります。球速を上げる為に絶対に必要なしっかりと叩くという動作もしづらくなる為非常に重要な段階と言えます。

両肩をつないだ線よりも前で腕を上げる

トップを作る事が苦手な選手の多くがテークバックを後ろに引きすぎている事。両腕を真横に開くと180度になりますが、それよりも後ろ側から手を上げようとすると引っかかって上がらない。胸郭と肩甲骨の動きがいい選手は多少後ろ側からでも上げる事は出来ますが、少しでもテークバックが大きくなると肩への負担が大きくなり、ケガの原因になる為オススメは出来ません。

肘の高さの基準は両肩をつないだ線よりも上にある事。低くなると回転運動の時に肘の絞りを上手く作る事が出来なくなり、肘の内側を痛める原因につながります。逆に今肘の内側に違和感や痛みを関している選手は、トップの位置を見直す事で改善する事が出来るでしょう。

上げる→出る→叩く

あくまでイメージの話になりますが、トップを作るタイミングは出来るだけ早い段階が理想です。体重を移動しながらトップを作ろうとすると、十分にトップを作る事が出来ないまま回転運動に移ってしまう事になりがいだからです。先ずは(肘を)上げる、(前に)出る、(背中を使って)叩くという順番を身体にしっかりと刻み込む事から始めましょう。

くの字を作る

足を上げてからステップに移る際、右ピッチャーを三塁側から見ると、頭・骨盤・軸足の位置関係がくの字を描くように意識しましょう。この時肩の高さは右肩が下、左肩が上に傾きます。

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肩だけを落とすのではなく両肩と骨盤の左右を線でつないだ長方形がそのまま傾くイメージ

ステップを切った際は地面と平行である事

くの字を意識する事で起こりやすくなるのが前脚が着地した時点で骨盤の前側が高くなってしまう事。そうなる事で発射台の角度が上に向いてしまい球が高めに浮きやすくなります。またそれを改善しようとして上半身を追って投げたり、肘を引き下ろしてしまって肘の裏側を痛めたり上腕二頭筋(力こぶの筋肉)に張りが出たりします。

遠心力を使う

バッティングの時に遠心力を利用するイメージは強いと思いますが、当然ピッチングにも遠心力は重要です。

バッティング(右打ち)の場合左手でグリップを止めて右手で走らせます。この時左手がしっかり止まらず前に流れてしまうと、ヘッドを走らせる事が出来ずに打球に威力が出なくなります。ピッチングも同様で、並進運動で移動してきた勢いを前足でストップをかける事で回転運動に繋げ、上半身が一気に加速します。

 

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前足の踵の垂直線上よりも膝蓋骨(膝の皿)が前に行ってしまうとブレーキが利きづらくなってしまうので注意

 

 回転運動

最も重要なのは、重心の移動で得たパワーをいかに失速させる事無く回転するか。

便宜上並進運動と回転運動を分けてありますが、本来連動した一つの動きの中で行われるため、あえて別々と捉えるとぎこちなくなるので注意が必要です。

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回転運動を上手く行う上で重要なのが回転軸。上半身を折ってお辞儀の形になってしまうと回転のスピードは落ちてしまい、上手く腕が出てこなくなり、腕の振りが弱くなってしまいます。

前足にぶつかる強さ=球速

球速を上げるうえで最も重要と言っても過言ではないのが【いかに速く骨盤を前傾させるか】です。と言ってもタイミングが非常に重要。例えば足を上げてからステップをきるまでの時点で骨盤が前傾してしまっていては、上半身を折る事でしか反動をつける事が出来ません。それどころか腰痛を発症する原因にもなりかねません。骨盤が前傾するタイミングは軸足から前足に乗った時。つまり並進運動から回転運動につながる所。

ポイントは前足が着地した時点では骨盤が少し回転を始めている事。完全に閉じた状態でステップしてしまうと、着地の衝撃を回転力に変える事が出来ません。予め少し開き始めた所にブレーキがかかる事で利き腕側の骨盤が一気に加速してスムーズに回転する事が出来ます。

この時前足の膝の角度は135°のイメージ。それ以下になると足への負担が大きくなり、前足の膝が前に流れやすくなり上手くブレーキをかける事が難しくなります。また上半身の力で無理やり捻って投げる事になり、身体の開きが早くなってしまったり利き腕側のバッターの顔付近に向かって抜けるボールが多くなってしまい、それを防ぐためにリリースで調整してしまって結果として反対側に引っかかったような球が増えたりします。

穴の深さ=踏み込みの強さ

前足を出した時(ステップをきった時)、軸足から前足に向けてぶつけたパワーが強ければ強いほど、前足の下の穴は深く掘れる傾向にあります。意識して深く掘れるように前足を使うのではなく、上手く前足にぶつける事が出来ると自然と穴が深く掘れるようになってきます。

グラブの使い方を意識

グラブは回転を行う上で非常に重要な支点の役割を果たします。ポイントはグラブを引かない事。よくある指導で「体に巻き付けるように引け」とか「引いて肩を入れ替えろ」などと言われますが、引いてしまうとある2つのデメリットが生じます。それは重心が移動せずその場での回転になってしまう事と支点が無くなり体軸がぶれてしまう事。

その場回転になると、折角軸足から並進運動と繋いできた勢いを消してしまいます。例えばフィギュアスケートのジャンプのように、回転力が欲しい場合は正中線を軸として回転する事で身体のブレを無くして回転力を高めています。ピッチングの目的はリリースの瞬間に向けて効率よく力を伝える事。回転は手段であり目的ではありません。 

まとめ

 長々と書いてきましたが、要するに大切なのは軸足の親指が起点となって起こした波を上手くリリースの瞬間の指先に伝える事が出来るか。その間にいかにロスを減らせるかがカギとなります。その為には当然筋力も柔軟性も必要になる。

筋トレや柔軟がおろそかになる選手の多くは、その必要性を理解していないか実感していないから。焦らずじっくり仕組みを理解していけば、何をすべきかが見えてくると思います。

俺野球やめるわ!から出会った野球少年 ~小中学校の野球界を考える~ そして最後の夏!

今から約一年前。ある野球部の保護者の方から連絡。

 

中2の息子さんが慢性的な下半身(腰・お尻)の痛みに悩まされているようで、何とかして元気にプレーしてほしいという話。姿勢を見ると骨盤が前傾しすぎ。大腿四頭筋のストレッチ不足と腹筋の筋力不足。早速姿勢を正すところからやりましょう!というところで本人が一言。

 

「俺野球やめるわ」

 

当時在籍していた硬式のチームでは2年生ながら中軸を任されており、痛みがあっても休めない。毎日痛み止めを服用しながら練習に参加していたとか。こんな状況が続き、好きだったハズの野球も辞めたいと。お母さん的にはこんな形で終わらせてほしくない。痛くても休めないって・・・と耳を疑うような話ですが実はこんな状況の選手は少なくありません。

 

ここで少し個人的な少年野球観の話。

現在少年野球の指導者の方はボランティアの方が多く、そんな指導者の方々が小中学校の野球界を支えています。これは紛れもない事実。あえて強調しておきます。

その中にごく少数ではありますが、わざわざやってやってるんだぞという方も見受けられます。特に嫌いなのが背もたれ付きの椅子にふんぞり返って足を組み、大声でどなる。口癖のように「教えたやないか!」と。

当事者でなくてもお前何様や!と言いたくなる所ですが、我が子を人質に取られているようなものの保護者の方たちは、そんな監督にもキチンと丁寧すぎるほどの挨拶をしに行く。

今までで一番驚いたのはグラウンドの整備。子ども達は試合と試合の間に昼食を摂るため、ランチタイムの子ども達の横でお父さん達がせっせと整備。誰が何のために野球をやっているのか?てゆーか馬鹿か!

これだけではありません。先に言っておきますが、勝つことにこだわる事は個人的には上手くなるためには絶対に必要な事だと考えています。

そんな僕から見てもやりすぎじゃない?という指導もちらほら。小柄で足が速い選手は強制的に左打ち。短く持って転がして走れ。フライを上げようものなら「お前はそんなバッターじゃない!」。

小中学生と言えば、これからどんな選手に育つか分からない無限の可能性を秘めた年代。どれだけ先見の明がある方なのかは分かりませんが・・・

こうやって育てられた選手たちはすごく現実的です。僕なんかはそんな選手じゃありません。小中学生でこんな言葉を言わせるって悲しくないですか?例を挙げたらきりがありませんが、肩が弱い選手にはワンバウンド送球。ゴロを転がせ、何かが起こる。などもその類です。

確かに勝つ事で世間からの評価も上がり、当然有望な選手たちもそのチーム、監督の下で野球をやりたがる。実際に活躍して強豪校などからスカウトが来て・・・って氷山の一角です。それよりも5年先、10年先を見越した指導をしてもらいたい。世間もあの監督が関わった選手は高校や大学で大きく育つをしっかりと評価する事が大切です。

個人的には小中学生は年齢別のカテゴリーではなく、身長や体重で分ける事も面白いのではないかと感じています。そうする事で身体に合わない重さのバットを無理に振る必要もなければ、身体の小さな選手たちにも平等にチャンスを与える事が出来ます。

  

 話を冒頭の少年に戻すと、色々悩んだ結果通っている学校の野球部の先生に相談し、快く受け入れていただきました。移籍した直後はトレーニングに来ていても「何したらいいですか」状態。返事の仕方や声の出し方、語尾までしっかり発音する事など色々注意されていた彼。急に変わり始めたのが昨年12月頃。

今までと違って来たらすぐにバットを振り始める。それも黙々とひたすら同じペースで。ある程度時間が経ったらシャドーピッチングに自ら進んで切り替え、こちらから促して動くことなど殆どなくなりました。さらに学年が変わってからは勉強も一気に加速。順位も一気に上昇しました。声は相変わらず小さめですが(笑)

 成績が一気に上昇した理由

それは将来の夢を肯定されたから。以前学校の先生に話した時は「そんなのきついし大変だし、給料も・・・」要するにやめた方がいいよと。

やった事も無いくせに偉そうな事言うな!

と言ってやりたい気持ちをグッと抑え、

  1. 経験者の話以外でやめとけという人はダメ
  2. 経験者であっても道半ばで離脱した人の話もダメ
  3. 何より自分自身がやりたい事を他人に曲げられたらダメ

という話をして全力で応援するよ!と。これが良かったと後から聞かされた時は嬉しかった。日頃から自分の物差しで人の将来を計らない事をテーマに選手たちに関わっているつもりなので、自信から確信に変わった?瞬間でした(笑)

結果として最後の夏はもう終わってしまった彼ですが、月曜の朝には野球道具や飾ってあったユニフォーム、その他もろもろの野球グッズはキレイさっぱり片づけられていたそう。その話を聞いてLINEすると「もう受験モードですから」。

流石です。切り替えの早さは既に一流。彼なら絶対に夢をかなえてくれるでしょう。

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まとめ

今回挙げた少年野球の例はどこか特定のチームの話ではありません(登場した少年は実在します)。ですが実際に現場で起きている事。野球を通じて何を学ぶのか。これって結構大切な事。そして何より選手に関わらせてもらう立場からすると、他人の限界をこっちが判断する事は最低という事を是非書きたかったから。もちろん上記のようなチームばかりではありません。

本当に真摯に子ども達の将来を考えて、日々プライベート犠牲にしている監督さんやコーチの方々も多く存在しています。一人でも多くの選手が野球が好きでいられるように。まだまだ進化が必要なことは多くありそうです。

肩のケガを予防する!肩甲骨周辺のトレーニング【腕立て・飛行機・エール】

 

肩や肘のケガは野球にはつきものと考えられていますが、そもそも肩関節を使うから痛める。肘の関節も無理のない角度で使えばそうそう痛むものでは無いにも関わらず、トップが作れず肘の絞りを上手く作る事が出来ずに投げる事で余計な負荷がかかり痛めてしまう。

ピッチャーにとって投げられない期間というのは非常にもどかしいもの。復帰後も焦りを生んでしまい、結果として現役の間に再起出来ないケースも多く存在します。また近年では肘の手術の若年化も問題視され、高校野球にも球数制限が導入されようとしていますが、そもそも正しい体の使い方を覚えるべきではないのか?という視点から3種類のトレーニングを紐解いていきます。

 

腕立て (50回)

  1. 両手を肩幅に開き(前に習えの幅)中指を平行に置く。
  2. 上腕骨を外旋させる。(肘の内側が正面を向く)
  3. 頭から踵までを一直線に。ポイントは踵をしっかりと蹴り出す事
  4. まっすぐ降りて(鼻が地面に向いている事)まっすぐ上がる(両脇をこする)

腕立てで気を付けるポイント

特に注意すべき点は3番の頭から踵までが一直線である事。股関節を外旋させて尻を締める事で腸腰筋を機能させて一直線をキープします。腸腰筋が弱ければ骨盤が落ち込んでしまい、反り腰の状態に。それを防ぐために胸を潰してしまうと背筋が抜けてしまうためこれもNG。

4番で両脇をこする程肘を絞って行う理由は胸ではなく上腕三頭筋をしっかり使うため。ですが背中を一直線にキープする事で腕だけでなく、脊柱起立筋や下半身の尻を締める筋肉なども使えます。

腕立てで鍛えられる場所

上腕三頭筋・腹筋・背筋・腸腰筋・握力など

 

飛行機 (前後各300回)

  1. 両足を乳頭線の幅に置いて立つ*1
  2. 両腕を肩の高さで水平に開いた状態から約20cm上の20cm前に移動する
  3. 肩甲骨を下方回旋*2させ、上腕骨を外旋させる。掌は下向き
  4. 鎖骨を中心に直径直径20cmの円を描く

飛行機で気を付けるポイント

非常に重要なのが直径20cmの円を描く事。胸鎖関節を中心に肩甲骨と上腕骨が連動すれば、勝手に円の直径は大きくなります。逆に手先や肘で円を描くと直径が小さくなります。また肘をしっかりと伸ばしておくことが重要*3です。少しでも曲がった状態で行うと、肘に常に煽りの負荷がかかるため肘を痛める危険性があります。

肩甲骨の下方回旋と上腕骨の外旋の形が崩れると、僧帽筋にストレスがかかります。僧帽筋が発達すると肘を上げる際などに邪魔してしまう恐れがあるため注意が必要です。

最も大きなポイントはどこを中心として回転させるか。通常腕を回すとなると肩関節を中心に上腕骨(二の腕の骨)が回転します。飛行機の場合は鎖骨・肩甲骨・上腕骨をセットにして動かすため、中心となるのは胸骨と鎖骨の結合部にあたる【胸鎖関節】になります。肩の関節を使った飛行機はインナーマッスルに過度の負担を与える事になり、ケガのリスクが生じる為注意しましょう。

飛行機で鍛えられる場所

 三角筋・広背筋・ローテーターカフ*4など

エール (400回)

  1. 両足を乳頭線の幅に置いて立つ*5
  2. 両腕をバンザイの形に(垂直に天井を指さす)
  3. 前に水平になる所まで下ろす(前に習えの位置)
  4. 2の形に戻る
  5. 横に水平になる所まで下ろす(横に習えの形)
  6. 2の形に戻る
  7. 2~6を繰り返す

エールで気を付けるポイント

上腕骨のみを動かすイメージではなく、肩甲骨とセットで動くことが重要です。支点になるのは胸鎖関節。また下ろす動作(3・5番)よりも戻る動作(4・6番)を早く行う事も必要。背中のばねを意識して行いましょう。

肘の絞りの基礎となる動きに注目

このトレーニングの最大の目的はピッチングにおいて不可欠な肘の絞りを作る事。特に意識しやすいのが5の両腕を真横に水平に伸ばした状態から6のバンザイに戻すタイミング。肩甲骨の意識は常に外転。この時に肩甲骨と上腕骨が連動していれば、勝手に腕は外旋され肘が絞られた形が出来上がります。

またこのタイミングで特に意識してもらいたいのが前鋸筋。肩甲骨の外転に必要な筋肉で、前鋸筋がしっかりと働いていれば、肘の絞りは成立しやすくなります。そうする事で投げる際の肘の方向がしっかりとキャッチャー方向を向く事が出来るようになり、強くたたく事が出来ます。またよくある肘のケガ(内側側副靭帯損傷など)の予防にも繋がります。

エールで鍛えられる筋肉

三角筋・菱形筋・前鋸筋・小胸筋など

上肢だけじゃない!意識次第で様々な効果

 腕立てに関しては腹筋や背筋など全身を鍛える事が出来ると書きましたが、飛行機とエールに関しても意識次第で体幹部の筋肉を鍛える事が出来ます。腕を動かすのは鎖骨・肩甲骨・上腕骨の連動と書いてきましたが、これらを動かす際に必ず体に“煽り”が入ります。

この煽りによる振動を脊柱起立筋・腹筋・背筋を意識する事で安定させる事が出来ます。そうする事で安定性(スタビライゼーション)を高める事が出来、肩回りだけでなく全身のインナーマッスルを鍛える事につながります。

まとめ

以上で腕立て・飛行機・エールの重要性は伝わったでしょうか。

飛行機とエールの合計は丁度1000回。1日にボールを1000球投げる事は出来なくても、1000回肩回りの筋肉を強化するは出来る。 しかもアウターだけでは必ず持たなくなる数を積み重ねる為、必然的にインナーにもしっかりとした刺激が行く。

ケガの予防だけでなく、コントロールを安定させる為にも必要“肘の絞り”の練習にも取り組む事が出来る非常に重要なトレーニングです。毎日欠かさず行い、防げるケガを未然に防ぐ努力を行ってください。

*1:股関節の外旋を忘れずに

*2:背骨に向かって斜め下に寄る事

*3:ここに先に腕立てで上腕三頭筋にしっかりと負荷をかけていた理由があります。

*4:棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋※腱板と言われる所

*5:股関節の外旋を忘れずに

【動画有り】振らずに飛ばす! バッティング 飛距離アップのコツ!

今回は(ようやく)野球に関する記事!

テーマはバッティングの飛距離アップとしていますが、実はこれ多くのスポーツのパフォーマンスを上げるカギとなるものです。

押せる形を身に着ける

動画は格闘技の選手が使うダミーミットを打つ練習です。

この時に重要なのがバットではなく手で押せる形を作る事。動画をよく見てもらうと分かりますが、バットよりも先に手がミットを叩いています。

(音声を聞いていただくとより分かりやすくなると思います。)

 

下の画像の選手は若干上半身が後ろに残ってしまっているため、押す力にロスが見られますが、真ん中の場合ミートした時点で頭・胸・骨盤・軸足の膝が垂直に並びます。

 (技術としてインコースを打つ時に意図的に体を下げる事もありますが)

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この形をいきなり動きの中で作るのは非常に難しいため、まずはミートした形で壁を押すことから始めると分かりやすくなります。特に背筋が弱い選手は身体の前側の筋肉を力みがちになるため、背中を使う意識をしっかり持つことが重要です。

背中を意識する際のポイントは、身体ー右腕ー左腕で出来る三角形をイメージします。この時に胸ー右腕ー左腕となると三角形が小さくなります。一方で背中ー右腕ー左腕で三角形をイメージすると三角形が大きくなります。

この大きな三角形がイメージできるようになると、押す力を上手く伝える事が出来るようになります。

軸足の蹴りで身体を回す

ポイントは股関節の外旋

あえてこの文字を大きさにした理由は一般的に股関節は内旋させるという理論が多いから。では実際に盗塁のスタートをイメージしてみるとどうでしょうか?左足の親指を軸に、地面からの反発力を使って加速しますが、この時の股関節の動きは外旋です。

もう一つ分かりやすい実験。足を肩幅に開いて立ち、爪先を思いきり内側に入れた時(内旋)と思いきり外に開いた時(外旋)、果たしてどちらが骨盤を前に押し出せますか?

膝が外に割れて身体の開きが早くなるという人もいますが、前足の使い方次です。

体幹レーニングが必要な理由

上記の形を作るために必要なのが体幹レーニング。

要するに押せる形を作る作業=体幹レーニンです。

体幹レーニングと聞くと腹筋や背筋を鍛えるイメージを持つ選手も多く存在しますが、その前に重要になるのが元の形。要するに立ち姿。即ち姿勢です。

自分の基本になる体型を知る事で基準が出来る。その基準を元に様々な動きを作っていく。その動きの中で不足している部分を補うのがトレーニング。

 

つまり体幹を鍛えたいと考えるのであれば、先ず最初にすべきことは姿勢を正す事。

家を建てようとするならば先ずは基礎から。これと同じ事です。基本となるものがないにも関わらず一生懸命トレーニングを行うと、コレは先述した下手になる練習となってしまいます。

猫背で肩甲骨が前傾している立ち方の選手が肩周りをトレーニングすると、僧帽筋を使いがちになります。そして僧帽筋が必要以上に発達すると、腕が上がりにくくなる。当然肘も。必然的に引っ掛けて投げるような腕の使い方になり、肘の内側を痛める原因にもなります。 

上記の例は実際によく起こっている例です。基礎となるものが無いにも関わらず無理やり柱を立てて屋根を乗せる。体幹レーニングはその柱をより強く、より太くしようとしているだけ。そんな柱だから少し強い風が吹くと簡単に倒れてしまう。同じ箇所を繰り返し痛めている選手は特に要注意です。

まとめ

 今回のテーマは振らずに飛ばす事でしたが、大切なポイントだけもう一度。

  • ミート時の身体は頭・胸・骨盤・軸足の膝が垂直が理想
  • 軸足の股関節は外旋
  • 押せる形を作るのが体幹レーニン

この記事はまだまだざっくりとした部分しか記載していないため、随時追記していきたいと思います。

 

絶対にやってはいけない!その丁寧な指導が選手をバカにする

https://www.instagram.com/p/ByP9QtEhXPg/

 

ブログはタイトルが大事!

 

タイトルの通り 、丁寧に教えたらバカになる。

 

これはホントです。

 

人間ってサボる生き物だから。

与えられる事に慣れると思考が止まります。

 

コーチをしていてもよくあるのが何したらいいですかという質問。

A.何もしなくてもいいです (実際に答えてます)

コイツ何言ってんの?みたいな顔をされますが(笑) 

 

考える→やってみる→工夫する→またやってみる→出来るようになる

これを繰り返す事が成長につながります。

 

その一方でよくいる与えられ慣れた人。

待つ→与えられる→なんとなく出来た気になる→忘れる

これでは他力本願になって誰かに何かしてもらわないと何もできない。

こんな選手は少なくとも大学以上の年代になってくると成長しなくなる。

 

アスリートは自分が商品であり自分が社長です。周りの人間に役割を与えて自分の都合がよくなるように上手く人を使えないとダメ。一流アスリートはシェフを雇ってみたりトレーナーをつけてみたり、あれ全部自分が主働です。

 

何より悪なのが教えたがる世話好きの人

一生添い遂げるならいいですよ。何もできない人間を生み出しても。

 

エサを与える事が優しさなのか。エサのとり方を教える事が優しさなのか。

それともエサのとり方を考えさせる事が優しさなのか。

 

何かを掴んだ時の選手って本当にいい顔しますよ。でもそれは自ら掴んだから。

そして苦労して掴んだ物ってなかなか手放さない。

 

 以前の記事をしっかり読んでくれた方の中には矛盾を感じる人もいると思います。

間違った回路を~というやつです。詳しくは↓の記事のPoint3をご覧ください。

 

r-ambition-2015.hatenablog.jp

 

下手なクセがつくと厄介だと言っておきながら正しい形を教えないのはなぜか。

それは教えられるものではなく自ら掴みに行くものだから。

掴みに来た人を蔑ろにするようなことはしません。

同じく掴もうとしていない人間に何かを与える事もありません。

 

先ずは自分からアクションを起こして、相手を自分のペースに巻き込む習慣を身につけましょう。

 

本日のおさらい

・選手は自分から求める事が大切

・周りの人間は与えすぎてはいけない

・教えたがりの世話好きには注意しろ

 

これをやれば上手くなる!効率よく上達するための3つのポイント

 

𝐑-𝐀𝐦𝐛𝐢𝐭𝐢𝐨𝐧 on Instagram: “イメージを理解して体現出来るか⚾️ ・連動 ・腕を長く ・“遅れる”と“残る”の違い http://r-ambition.jp/ ▼▼HPはプロフィールから▼▼ @ryuji.kotoh …”

 

3回目の投稿にしてかなり思い切ったタイトルをつけてみましたが、

是非とも伝えたい!という思いから、あえてちょっと偉そうなタイトルにしてみました。というのも選手が現役でいられる期間は本当に限られていて、貴重な時間であると常々感じているからです。

早速本題に入りますが、最初に断っておきます。

この情報が正しいとは言いません。

なぜなら私の個人的な考えを述べているだけなので。

上手くなりたいと考えている選手や少しでも選手の役に立ちたいと考えているコーチの方々の頭の片隅にでも残しておいていただければと思います。

 

 

Point1 目的と手段の明確化


突然ですが、あなたは何のために食事を摂っていますか?
お腹が空いたから、体調を整えたいから、おいしいものが好き・・・など色々と理由はあるでしょう。

空腹を満たす事を目的とするなら、食べられるものなら何でもいい。

ではパフォーマンスを上げたいという目的になるとどうでしょうか?


出来るだけ栄養バランスのいい食事。試合前などであれば消化がいいもの。

夏バテ対策であればビタミンやミネラルを豊富に含んでいるものなど。

目的が変われば、当然内容も変わってくるはずです。

まずこの『目的をはっきりさせる事』は上達のための第一歩です。
多くの選手はある程度の目的を自分の中でイメージしていると思います。
甲子園に行きたい、神宮で活躍したい、社会人やプロなど次のステージに進みたい・・・

ですが日々の練習にこだわっている選手ほど当初の目的を見失うケース多くなります。

手段のはずが目的に変わる

例えばピッチャーが投球練習をする目的は“打者と対戦する為”です。あえて“勝つため”としないのは、個人的に各世代での勝利至上主義に疑問を抱いているためですが。

これに関してはまたいつか書くことにします。


相手主導で投げるボールに対していかにタイミングを合わせるか?というバッターに比べてピッチャーの練習は自分の型やリズムにこだわりやすい。アウトローのギリギリに糸を引いたようなストレートが決まった時の気持ちよさは分かります。そしてミットがパチーン!といい音が鳴る瞬間もかなり気分がいいでしょう。

これが目的を見失いやすくなる原因なのです。

140キロのアウトローギリギリのボールを見事に打ち返されてしまった。

スライダーが抜けてど真ん中にいったがバッターは引っ掛けてしまい打ち取った。


練習であれば前者は成功、後者は失敗です。でも試合になると、打たれたボールと打ち取ったボールに変わるのです。

この事を踏まえて身近なピッチャーの投球練習をよく見てください。自分が納得のいくボールを投げる練習をしているのか、バッターを打ち取れるボールを投げる練習しているのか。

筋トレも同じく目的は競技力向上、即ちパフォーマンスを上げる事を目的としているはず。でもいつのまにかより大きな重量を上げる事や筋肉を大きくする事が目的になりやすい。特にサプリメントなどにまでこだわっている真剣な選手ほど陥りやすい。

だからこそ下の3つを常々意識し続けることが重要です。

• 周りで見ているコーチが軌道修正をしてやる事

• 自分を客観的な目線で見る事

• 定期的に目標が何なのかを再確認する事


Point2 4段階の理解

 次に重要なのがどれだけ正確に理解できているかという段階を知る事です。ここでは理解の度合いを4つの段階に分けて説明していきます。

第1段階 見た(聞いた・知った)

始めの段階はその技術や情報に出会った段階、触れた段階です。この情報を得る事が非常に重要。常日頃から様々な方向にアンテナを張り、360度どこからでも役立つ情報を収拾しようという意識が大切になります。

 

特に最高レベルのプロ野球メジャーリーグの映像やニュース、名門と言われる学校やクラブチームなどがどんな練習をしているかは(当たり前ですが)知っておいて損はありません。SNSやテレビ、本など情報が溢れている時代ですが、やっぱり一番良いのは直接聞く事。

上手くいっている人の真似をするのが間違いなく一番早い。

当然プレースタイルや体格など、タイプによって合うor合わないがあるかも知れませんが、この段階で判断するのは避けましょう。

第2段階 分かった

次の段階は“頭で”分かったという段階です。意味は理解できたけどまだ身体は思い通りには動かないという段階です。ここで重要なのは『本当に理解できている事』です。分かったつもりでいても実際は勘違いをしている事は良くあります。

 

ましてスポーツは数学のように明確な正解が無いものを理解しようとする場合、この勘違いを正す事は非常に難しくなります。対処法はただ一つ。それは話す事・聞く事です。お互いがしっかりとコミュニケーションを取り合う事、取り合える関係を構築しておくことが重要になります。

第3段階 出来た

ここまで来ると明らかに変化が起こります。頭の中にあるイメージと身体の動きをリンクさせる事で、実際に出来るようになります。この時に重要なのが感覚ではなく視覚で確認する事。一昔前と違い、いとも簡単に動画撮影が出来るため、実際に投げたフォームや打ったフォームをその場で撮影、確認する事が出来るようになりました。

 

これを利用しない手はありません。コーチングする側としても「もう少しここを・・・」などと話すより、「ほら。見てみて。」と実際に見せる方が伝えやすい。選手側としても「自分では出来てる気がするんだけど・・・」という思いをせずに済みます。その際に注意しなければならないのが“した”と“なった”の違いです。

 

手軽に撮影してスロー再生までできてしまうため、細かい部分まで確認する事が出来る反面、スロー再生には大きなデメリットが。それはスピード感までは映せないという事です。反動の中で反った動き、捻った動きはそのスピードだったからこそなったもの。

 

意図的にしてしまうと余計な筋力を使うだけでなく、ぎこちなさやケガの原因にもつながります。便利な世の中でですが、使い方を間違うとそれ相応の弊害を起こしてしまうリスクを忘れてはいけません。

第4段階 伝えられた

ようやく自分が手に入れた技術。今度は惜しげもなく誰かに伝えてみましょう。

インプットした事をすぐにアウトプットする事で確認になります。教えた人ができないという事は何かが足りていない。

自分の言葉足らずで伝えられていないのか、何かが抜けているために出来ないのか。ここで引っかかった部分が、自分の調子が崩れた時に大きな意味を持ってきます。

この時最も重要なのが教えてくれた人に聞こえるように伝える事。間違った事を伝えていればその場で訂正してもらえるはずなので。

この段階を実践する事で頭の中は非常にクリアになります。

何より自らの手でライバルを作る事は更なる進化の糧になります。

Point3 下手になる練習をしない

これはある意味最も重要な要素です。と言うのも、人間の身体は脳によって指令を出し、その信号を受け取った筋肉が関節を動かす事で動いています。何か新しい動きを練習した時、最初は出来なかった事が徐々に出来るようになってきます。これは身体能力が高くなったのではなく、単純にその動き(指令)に身体が慣れただけなのです。

下手になる練習とは間違った動きを繰り返してしまう事です。

上記の説明を踏まえて考えるとお分かりの通り、人の身体が動く仕組みは脳からの指令とその回路が関係しています。ですが本来であれば発達する必要のない回路が体の中で構築されてしまう事で、いわゆる変なクセが身についてしまいます。

 

変なクセがついてしまった中級者より、いっそ何もクセの無い初心者の方が上達が早くなるのはこのためです。ただやみくもに数をこなすだけの練習ではなく、正確な形で(使い方で)数を積み重ねる事が重要なのです。

まとめ

いかがでしたか?結構大それたタイトルの割に、冷静に考えれば当たり前の事ばかりだったのではないでしょうか。ですがこの当たり前のことを当たり前に出来る事が実はとても難しい。分かっているつもりでも、ついつい脱線してしまうのが世の常なのです。今一度基本に立ち返って、自分の練習や選手たちの練習を客観的に見る事から始めてみてはいかがでしょうか。

 

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