姿勢が変われば人生が変わる!

R-Ambition代表、古藤隆治のブログです。姿勢がスポーツ与える影響、改善する事でどんな効果を発揮するのか、トレーニングに対する考え方など実際の現場で役立つ情報を色々な角度から発信していきます。

俺野球やめるわ!から出会った野球少年 ~小中学校の野球界を考える~ そして最後の夏!

今から約一年前。ある野球部の保護者の方から連絡。

 

中2の息子さんが慢性的な下半身(腰・お尻)の痛みに悩まされているようで、何とかして元気にプレーしてほしいという話。姿勢を見ると骨盤が前傾しすぎ。大腿四頭筋のストレッチ不足と腹筋の筋力不足。早速姿勢を正すところからやりましょう!というところで本人が一言。

 

「俺野球やめるわ」

 

当時在籍していた硬式のチームでは2年生ながら中軸を任されており、痛みがあっても休めない。毎日痛み止めを服用しながら練習に参加していたとか。こんな状況が続き、好きだったハズの野球も辞めたいと。お母さん的にはこんな形で終わらせてほしくない。痛くても休めないって・・・と耳を疑うような話ですが実はこんな状況の選手は少なくありません。

 

ここで少し個人的な少年野球観の話。

現在少年野球の指導者の方はボランティアの方が多く、そんな指導者の方々が小中学校の野球界を支えています。これは紛れもない事実。あえて強調しておきます。

その中にごく少数ではありますが、わざわざやってやってるんだぞという方も見受けられます。特に嫌いなのが背もたれ付きの椅子にふんぞり返って足を組み、大声でどなる。口癖のように「教えたやないか!」と。

当事者でなくてもお前何様や!と言いたくなる所ですが、我が子を人質に取られているようなものの保護者の方たちは、そんな監督にもキチンと丁寧すぎるほどの挨拶をしに行く。

今までで一番驚いたのはグラウンドの整備。子ども達は試合と試合の間に昼食を摂るため、ランチタイムの子ども達の横でお父さん達がせっせと整備。誰が何のために野球をやっているのか?てゆーか馬鹿か!

これだけではありません。先に言っておきますが、勝つことにこだわる事は個人的には上手くなるためには絶対に必要な事だと考えています。

そんな僕から見てもやりすぎじゃない?という指導もちらほら。小柄で足が速い選手は強制的に左打ち。短く持って転がして走れ。フライを上げようものなら「お前はそんなバッターじゃない!」。

小中学生と言えば、これからどんな選手に育つか分からない無限の可能性を秘めた年代。どれだけ先見の明がある方なのかは分かりませんが・・・

こうやって育てられた選手たちはすごく現実的です。僕なんかはそんな選手じゃありません。小中学生でこんな言葉を言わせるって悲しくないですか?例を挙げたらきりがありませんが、肩が弱い選手にはワンバウンド送球。ゴロを転がせ、何かが起こる。などもその類です。

確かに勝つ事で世間からの評価も上がり、当然有望な選手たちもそのチーム、監督の下で野球をやりたがる。実際に活躍して強豪校などからスカウトが来て・・・って氷山の一角です。それよりも5年先、10年先を見越した指導をしてもらいたい。世間もあの監督が関わった選手は高校や大学で大きく育つをしっかりと評価する事が大切です。

個人的には小中学生は年齢別のカテゴリーではなく、身長や体重で分ける事も面白いのではないかと感じています。そうする事で身体に合わない重さのバットを無理に振る必要もなければ、身体の小さな選手たちにも平等にチャンスを与える事が出来ます。

  

 話を冒頭の少年に戻すと、色々悩んだ結果通っている学校の野球部の先生に相談し、快く受け入れていただきました。移籍した直後はトレーニングに来ていても「何したらいいですか」状態。返事の仕方や声の出し方、語尾までしっかり発音する事など色々注意されていた彼。急に変わり始めたのが昨年12月頃。

今までと違って来たらすぐにバットを振り始める。それも黙々とひたすら同じペースで。ある程度時間が経ったらシャドーピッチングに自ら進んで切り替え、こちらから促して動くことなど殆どなくなりました。さらに学年が変わってからは勉強も一気に加速。順位も一気に上昇しました。声は相変わらず小さめですが(笑)

 成績が一気に上昇した理由

それは将来の夢を肯定されたから。以前学校の先生に話した時は「そんなのきついし大変だし、給料も・・・」要するにやめた方がいいよと。

やった事も無いくせに偉そうな事言うな!

と言ってやりたい気持ちをグッと抑え、

  1. 経験者の話以外でやめとけという人はダメ
  2. 経験者であっても道半ばで離脱した人の話もダメ
  3. 何より自分自身がやりたい事を他人に曲げられたらダメ

という話をして全力で応援するよ!と。これが良かったと後から聞かされた時は嬉しかった。日頃から自分の物差しで人の将来を計らない事をテーマに選手たちに関わっているつもりなので、自信から確信に変わった?瞬間でした(笑)

結果として最後の夏はもう終わってしまった彼ですが、月曜の朝には野球道具や飾ってあったユニフォーム、その他もろもろの野球グッズはキレイさっぱり片づけられていたそう。その話を聞いてLINEすると「もう受験モードですから」。

流石です。切り替えの早さは既に一流。彼なら絶対に夢をかなえてくれるでしょう。

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まとめ

今回挙げた少年野球の例はどこか特定のチームの話ではありません(登場した少年は実在します)。ですが実際に現場で起きている事。野球を通じて何を学ぶのか。これって結構大切な事。そして何より選手に関わらせてもらう立場からすると、他人の限界をこっちが判断する事は最低という事を是非書きたかったから。もちろん上記のようなチームばかりではありません。

本当に真摯に子ども達の将来を考えて、日々プライベート犠牲にしている監督さんやコーチの方々も多く存在しています。一人でも多くの選手が野球が好きでいられるように。まだまだ進化が必要なことは多くありそうです。

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